健康アラカルト(103)味噌の話

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感染症に対する免疫が問題となる中、今回は、お味噌の話。味噌は日本の誇る代表的な発酵食品の一つであるが、その歴史は古く、中国の醤(ひしお)が飛鳥時代に伝わり発展したという説とすでに縄文時代から日本にあったという説とがある。いずれにせよ、現代で同じものは中国にも韓国にもなく、日本独自の味噌文化が育ったと考えられる。味噌に関する言葉もたくさんある。手前味噌,味噌っかす、味噌をつける、脳みそ、糞味噌に言う・・等。古来、味噌は貴重品であったが、鎌倉時代から一汁一菜として武士の食生活に味噌汁が定着し、室町時代には庶民にも定着するようになった。

味噌は、大豆に塩と麹(米麹、麦麹、豆麹の3種類がある)を加え,発酵させて作る。麹の種類により、米味噌、麦味噌、豆味噌(八丁味噌)となる。食べ方も味噌汁、味噌漬け、味噌煮等様々ある。味噌には、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、乳酸菌等の微生物、レシチン、イソフラボン、食物繊維等多くの栄養成分が含まれており、その効果も、腸内細菌を整え、免疫力をアップし,がんを予防し、抗酸化作用で動脈硬化を防ぎ、抗菌作用まである。長崎の爆心地近くで被爆した人が味噌汁を食べ続けていたら、後遺症が起こらなかったという有名な話がある。保存食としても素晴らしく、味噌樽を数年常温で放置しても表面にカビがうっすら生えるだけで、それを除去すれば十分食べることができる。塩分が心配だが、味噌に含まれるミネラルや一緒に摂る具の野菜によって塩分の吸収は抑えられるので、一日1杯程度なら血圧を気にすることはない。味噌汁の具材には野菜、海藻類、豆腐類、肉や魚貝等、ほとんど何を入れても相性は良く、食品としての栄養バランスも抜群である。

感染症やがんに対して免疫力をアップさせたいなら、味噌を使った食事を是非取り入れましょう。

ここで、謎掛けを一題。
「味噌」と掛けて、「ピアノの和音」と解く、その心は・・・「ド味噌(・・)・・」
 えっ?お粗末!最後に、ミソ(・・)をつけちゃいました。