胡麻(ゴマ)は英語でセサミというが、その起源は古く、紀元前6000年頃アフリカで発見され、その後エジプト、インド、中国と伝わり、日本では縄文時代から栽培されていた。
胡麻の主成分は、50%が脂質、タンパク質と炭水化物が20%ずつで、他にもセサミン、ビタミンB・E、食物繊維、カルシウム、鉄分等が含まれている。このうち、セサミンには、コレステロール抑制、動脈硬化やがんの予防、美肌、美白、白髪予防等の効果がある。胡麻はそのまま食べると消化されず排泄されてしまうため、摺ってから使う。また、胡麻油としてもよく使用されるが、これにはリノール酸やオレイン酸といった不飽和脂肪酸が多く含まれ、セサミン同様、抗酸化作用を有し、がんや生活習慣病を予防する働き、腸を刺激する排便促進作用や老化防止効果も期待できる。胡麻油の特徴は他の油に比べ、酸化しにくいため保存がきくことである。
この身体に良い胡麻であるが、残念ながら現在その99%は輸入品である。余談だが、大豆、小麦、トウモロコシ等の基本的な食品も9割以上輸入に頼っているのが我国の現状である。もっと日本の農業を守り、食料自給率を上げる方向に国は動くべきと思うが、グローバリゼーションと構造改革の名の下に真逆の方向に進んでいるようで心配である。
さて、胡麻にちなんだ言葉としては、「ごまかす」、「開け~ゴマ」等がある。「ごまかす」の由来は、その昔、ゴマと小麦粉で作られた焼き菓子の中身が空洞で、食べると見かけにダマされた!となり、「ゴマのお菓子」→「ごまかし」となったらしい。「開け~ゴマ」の方はアラビアンナイトの中の「アリババと40人の盗賊」の物語に出てくる呪文であるが、房に包まれた胡麻がはじけ出てくるイメージに似ていることが由来と言われている。
政治家を始め、ごまかす人がゴマンといる世の中ではあるが、「開け~ゴマ」と唱えると、たちまち日本の明るい未来の扉が開く・・なんてことを夢見るこの頃である。
