健康アラカルト(108)そうめんの話

2021年 7月 1日
院長 大石 孝

夏の食べ物と言えば、そうめん。そうめんは素麺と書く。ラーメン屋やうどん屋、そば屋はあるのに、そうめん屋というのはあまり聞かない。麺類の中では脇役的存在だが、実は最も歴史が古いのはそうめんの方である。奈良時代に唐から伝わったといわれている。当初は索餅(さくべい)といったお菓子の一種で、保存食であった。疫病が流行った時、七夕の7月7日にこれを食べると疫病にかからないとされた。コロナ禍でも通じるかも!現在のように、めんつゆで食べるようになったのは、醤油が一般的になった江戸時代からである。

そうめんは小麦粉と水と塩で作られる。捏(こ)ねて細く伸ばしながら、表面に油を付け、徐々に2m(太さ1.3mm)ほども伸ばす。乾燥させ、最後に19cm(6寸)に細断して完成する。そうめんはいくら伸ばしても伸びて切れないことから、食べると「縁が切れない」とされるので、恋人と食べるにはもってこい。縁が切れなくなっては困る人はやめておいた方がいいかも・・。

そうめんは、炭水化物ではあるがカロリーは少なめ、食物繊維、蛋白質、ミネラルの1つであるセレンも含まれており、体内の有害物質を排泄し、ビタミンEの約60倍という強い抗酸化作用があるため、細胞の老化を防止する効用がある。また、貧血を改善し、代謝を促進するモリブデンも多く含まれている。

そうめんは、茹でて冷やしてめんつゆにつけて食べるのが一般的だが、暖めてにゅうめんとして食べるのも美味しい。流しそうめんも楽しい食べ方だが、このコロナ禍ではやめておいた方が無難であろう。

どうです?そうめん(・・・・)(聡明)なあなたなら、日本の伝統的な夏の和食の1つ、そうめんを食べてみたくなったでしょう。なに?そうでもない?
そんな分からず屋には、昭和のギャグを一発お見舞い!「アーメン、ソーメン、冷やソーメン」、平成版なら、「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」、も一つ令和版「冷麺、いつメン、僕イクメン」でどうだ!?
*いつメンとは、「いつも一緒に遊ぶ友達のメンバー」の意味

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