2021年11月 1日
院長 大石 孝
マラソンでは厚底靴が席巻し、どんどん記録が伸びている。靴はスポーツの記録に関係するだけでなく、元々健康にも大きな影響がある。外反母趾、巻き爪、ウオノメ、タコ、靴擦れ等、足のトラブルの多くは合ってない靴が原因である。足のトラブルを放置すると、膝・腰・骨盤を痛め、場合によっては肩こりや頭痛を起こすこともあるという。皆さん、「幅広の靴は足が痛くならない」、「柔らかくて軽い靴は歩きやすい」、「外反母趾にはゆったりした靴がいい」、「長く歩く時は大きめの靴がいい」・・等と思ってませんか?実はこれらは全て誤解です!
中世より革靴が広まり靴の歴史が長いヨーロッパに対し、江戸時代まで下駄、草履等が中心だった日本は靴の歴史は浅く、一般庶民が靴を履くようになったのは第2次世界大戦後のため、靴に対する正しい認識が普及してない。
足は身体全体を支える土台であり、重要な身体のパーツである。日本人の7割は扁平足で足裏のアーチがないので、着地の衝撃を吸収できず、膝や腰に負担がかかりやすい。多くの人が自分の足を甲高幅広と思っており、底がフラットで軽い幅広の靴を選ぶ傾向にあるが、実際のサイズはその逆のことが多く、9割方自分のサイズより大きいものを履いているというデータもある。自分のサイズより幅広の靴は、足が前に滑り、つま先を痛めることになる。
いい靴の条件とは、かかとがぴったりし、ヒールカウンター(かかとを支える芯材)に硬さと強さがあるもので、つま先は1cmほどゆとりがあって、足指が自由に動くことが基本である。かかとは靴の命ともいえる。つま先立ちした時、かかとがスポッと抜けてしまうのはサイズが合ってない証拠。また、土踏まずの下を支えるシャンク(金属板)が靴底に埋め込まれてしっかりしているもの、足指の付け根でソールが曲がるものがよい。
さぁこれで靴選びは完璧! えっ?かかとがぴったりの靴なんて窮クツ!、全体に話が退クツ!。くっそー、靴のことだけにちょっとクツ辱的!