2022年 1月 1日
院長 大石 孝
再び、長屋から・・・
八つぁん「若旦那のとこ寄ったら、畳を新しくしててな、それがいい匂いで
思わず寝転んじゃった。」
熊さん「そうだよな。やっぱり畳ってのは気持ちいいよな。」
八「そうそう、畳ってのは日の本独自のものらしく、水分を吸い取るんで
湿気の多いこの国にはもってこいなんだってな。」
熊「おっと、八。おめぇ意外に物知りだね。でも物知りといやぁ、
ご隠居にかなう人はいねぇよ。」
ご隠居「何事じゃ?」熊「いやぁね。ちょいと畳のことを知りたくなりまして・・。」
隠居「フムフム、畳は“たたむ”が語源で、最初は敷物全般を指していたんじゃ。
平安時代には貴族が置き畳として使っておった。
鎌倉時代に武士も板の間に畳を敷くようになり、
江戸時代になってようやく世間にも少しずつ広がったんじゃ。
畳の表はイグサで、芯の部分は稲ワラで出来ておる。
ワラもイグサも通気性抜群じゃ。畳一畳で500ccの水分
を吸収すると言われとるぞ。」
八「石庵先生も一言。」
石庵「それだけじゃない。畳は断熱性、防音性があり、空気清浄作用もある。
弾力性もあって乳飲み子が転んでも大丈夫。
イグサ独特の香りでアロマ効果もあるんじゃ。」
熊「さすが、お二人とも畳の話だけにたたみ掛けてくるね。」
八「でもよぉ、今時は畳のない家が増えたよな。」
隠居「そうじゃな、畳の場合、埃や湿気を吸い込むとダニやカビがつくんで、
きちんと掃除をするとか裏返したり取り替えたりしなきゃならんのが
面倒といえば、面倒じゃ。」
石「しかし日本独自の文化の1つじゃから、日本人なら使ってほしいもんだなぁ。」
八「じゃおいら、畳キャンペーンに一っ走り行ってくらっ。」
熊「どこに?」
八「いやね、仲間を誘って、みんなで芝居小屋の裏から正月芝居を
覗き見するってぇ寸法だ。」
熊「もしかしてそれってタダ見キャンペーンってこと・・?」
