2022年5月1日
院長 大石 孝

目に青葉 山ほととぎす 初鰹」江戸時代に山口素堂が詠んだ有名な俳句である。意味は「初夏になると、目には青葉が写り、耳には山ほととぎすの鳴き声が聞こえ、 口には初鰹が美味しくていい」ということである。ほととぎすは渡り鳥で、平安時代より初夏の訪れを知らせる鳥として知られていたようだ。どれも初夏を表す言葉で、なるほどしょっか!新緑の風景が目に浮かんでくるようだ。

コロナ禍で家の中にじっとこもっている人が少なくないと思うが、季節も良し!明るい朝に散歩して、そよ風の心地よさ、初夏の香りを感じてみよう。外で人とすれ違っただけでコロナになることはない。歩くと、色んなことを忘れることができるし、色んなことを考えることができる。気がつかなかったことに気づくこともできる。実際、散歩には、脳内伝達物質のセロトニンの分泌量を増やし、注意力を高め、アイディアをひらめきやすくする効果がある。副交感神経活動が優位になってリラックス状態を作る。できれば森の中を歩くと森林浴となり、もっと良い。散歩の途中で花にも目を向けよう。初夏には香りのある花も咲く。バラ、シャクヤク、ボタン、ユリ等、どれもいい香りである。例えば、薔薇の香りは、鎮静・安眠効果や記憶力を上げ、女性ホルモンの働きを助ける効果がある。シャクヤク、ボタン、ユリといえば、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しい女性の喩えにも用いられる。どれもゴージャスな姿をし、香りも素晴らしい。芍薬は筋肉系の鎮痛作用、牡丹は鎮静、抗瘀血(滞った血液の流れを良くすること)作用、百合は消炎、鎮咳、利尿作用等がある。
![]() シャクヤク |
![]() ボタン |
![]() ユリ |
それにしても、芍薬と牡丹はよく似ていて区別がつきにくい。写真が間違っていても、ボタンの掛け違いということでお許しを!