2022年11月1日
院長 大石 孝

伊能忠敬は、日本全国を歩いて測量して正確な日本地図を完成させた、千葉県が誇るべき偉人の一人である。忠敬は、17才で現在の香取市佐原の豪商の婿養子となり、家を発展させた後、49才で隠居し、江戸で天文学を学び始める。55才から忠敬の測量事業がスタートする。蝦夷地(北海道)を皮切りに、東北、関東、近畿、中国、四国、九州と日本全国を歩いて測量して回った。その測量法は、歩測と天体観測を組み合わせる方法で、忠敬は自分の歩幅を計測(69cm)し、毎回同じ歩幅で歩けるように訓練した上で、歩数で距離を計算した。74才で亡くなるが、その死後、事業は弟子達に受け継がれ、3年後に地図が完成した。地図が完成するまでの詳細は、映画「大河への道」に詳しく描かれている。17年間に歩いた距離はなんと4万キロ、地球一周分に相当する。完成した「大日本沿海輿地全図」は現在の日本地図とほぼ一致し、非常に精度の高いものであった。現代の我々から考えても、どう見ても異能な才能だったとしか思えない、伊能なだけに・・。
忠敬の生涯を見て学べることは、新しいことへの挑戦に年齢は関係ないということと“歩く”こと(ウォーキング)がとんでもない成果につながるということである。後者のウォーキングは現代人にとっても良いことだらけである。血圧、血糖、コレステロールも下げるし、また、免疫をアップさせ、癌や認知症の予防にもなり、不眠にもよい。実は、座っている時間が長い人ほど寿命が短いと言う研究結果もでている。ぜひ生活にウォーキングを取り入れよう。忠敬のように、正確な歩幅で歩く必要はないが、正しく歩く必要はある。姿勢を正し、横から見て、耳の穴、肩先、肘、腰、くるぶしまでが一直線になるようにする。姿勢を保つために、なるべく遠くを見て歩く。肩甲骨を動かすため肘を軽く曲げて後ろに引くことを意識し、出来る範囲で大股で早歩きを心掛けることが大切である。
ここで、なぜか長屋の小話を一つ。
熊さん「忠敬さんは17年もかけて日本地図を作ったって?」
八つぁん「俺なんざ、小さい時には一晩で地図を作ったぜ」
熊「へぇ、どうやって?」
八「そりゃあれだよ、布団にさ・・(^。^;)」