健康アラカルト(118)あかさたなはまやらわ

2023年3月1日 院長 大石 孝

和田秀樹氏の「70才の正解」という著書に老後に心掛けたいことが書いてあったので紹介したい。頭文字でまとめると、「あかさたなはまやらわ」になるという。


歩く。日中歩いて太陽の光を浴びることが大切である。
()む。噛む動作は三叉神経を介して、脳を刺激し、脳の活性化につながる。歯が悪くて、食物が噛めない人は認知症になりやすい。
サボる。何事もストレスにならぬ程度にやり、嫌なことはしない。
食べる。食は全ての基本であるが、高齢者は食が細ると、体力も免疫力も落ちてしまう。特に、肉や納豆等の大豆食品を食べるとよい。肉に多く含まれるトリプトファンは、脳内神経伝達物質であるセロトニンの材料になるので、脳の活性化につながる。大豆に多く含まれるレシチンは、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になる。アセチルコリンの不足は、認知症の原因になる。納豆はその大豆を安く効果的に摂れる。
(なご)む。ストレスを溜めないようにする。
話す。特に他人と話すとよい。

学ぶ。筋肉を使わないとたちまち筋力が衰えるように、脳も使わないと記憶力も衰えてゆく。初めてのことにチャレンジ(初体験)すると、脳が活性化される。例えば、これまで歩いたことのない道を歩く、行ったことのない店に行く等でもよい。幼児は、よくどうして?どうして?と聞いてくるが、これが前頭葉を刺激することにつながっている。高齢者も同様に、世間で言われていることや様々な現象にそれは本当か、なぜそうなるのかと疑問を持つことも大切である
役立つ。仕事を続けたり、あるいは何か人の役に立つことをすると脳にいい刺激を与えられる。
楽観する。プラス思考を心掛けると脳内のドーパミンが分泌され、楽しい、幸せだと感じるようになる。
笑う。笑うことで、免疫細胞が活性化し、免疫力がアップする。

ところで、当院の開院以来のモットーは「あいうえお」である。
いさつ、たわり、れしいがお、だいじに。初心を忘れずにいきたいものである。