健康アラカルト(121) 食品の裏側

2023年9月1日
院長 大石 孝

「今日も忙しい独身のS君は、コンビニで朝食にハムサンドイッチと牛乳パックを買って食べ、昼にはスーパーで豚キムチ弁当とインスタントコーヒーを買って食べた。夕食は、仕事で遅くなったので、コンビニでカップ麺と健康を考え、パックサラダを買って食べた。」「主婦のIさんは、家族の健康を考え、朝は日本食で、ご飯に味噌汁、焼き魚、明太子、かまぼこを用意。昼食はスーパーで太巻き寿司を買う。夕食はカレーライスとサラダを作った。」・・・よくある独身男性と主婦の食事風景と思うが、実はS君もIさんも1日で60~70種類の食品添加物を摂取したことに気づいてはいないだろう。例えば、ハムサンドイッチの裏側のラベルを見ると、乳化剤、酸化防止剤、調味料(アミノ酸)、pH調整剤、増粘多糖類、グリシン、リン酸塩、カゼインNa、亜硝酸Na、着色料等20種類以上の添加物が入っている。健康的に思えるパックサラダは殺菌剤のプールにつけて、pH調整剤を加え、見た目を新鮮に保っている。Iさんの朝食の明太子にも20種類以上、昼食の太巻きには30種類以上の添加物が入っている。

現代の加工食品には否が応でも添加物が多量に入っている。それが、安くて味のいい食品を生み出している。便利さを追求すると安全性が、安全性を追求すると便利さが失われてしまう。難しい問題である。1つ1つの添加物の安全基準は満たされても、同時に沢山摂取した時の安全性は不明である。それに添加物の味に慣れると、天然の味の良さが分らなくなる。せめて、育ち盛りの子供が食べる時は注意したいものである。

対策は、食品を買う前に裏側のラベル(右図)を見て、なるべく添加物が少ないものを買うようにすることである。
以上、今回は、安部司氏の著書「食品の裏側」を紹介した。

最後に、短歌を一首。
「食品の 裏側見れば 驚けり 迷うことなく 食べる我が身を」