健康アラカルト(122)腸はすごい

2023年11月1日
院長 大石 孝

腸と脳は繋がっているって知ってました?ちょう・・・(そう)なんです!これを腸脳相関という。今までは、脳がホルモンを通じて、腸をコントロールしていると思われていたが、最新の研究では、腸の方が脳をコントロールしているのではないかと考えられるようになった。腸の働きは2つあり、生命に必要な栄養素と水を体内に取り込むことと、病気になるのを防ぐ免疫システムである。

腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、その中間の菌の3種類があり、1000種類、100兆個いるとされる。土壌が良いと植物がよく育つのと同様、人も腸内環境が良ければ、健康を保てる。人が栄養素をどれだけ吸収できるかは、腸内環境に左右される。多様な食事は多様な腸内細菌叢の形成に繋がり、健康長寿に繋がる。西洋食は腸内細菌の多様性を減らし、悪玉菌が増え、ビフィズス菌が減る。その結果、肥満、大腸がん、糖尿病のリスクが高まる。

腸内環境が悪化すると、生活習慣病、アレルギー疾患、自己免疫性疾患、炎症性腸疾患、便通異常、がん等も引き起こす。腸は脳の神経伝達物質を生成しており、老化や高血圧、睡眠障害、認知症、うつにも関係する。腸は肌にも関係し、悪玉菌が増えると、老廃物や毒素が発生し、肌の新陳代謝を低下させ、肌が荒れる。腸はいろんな病気に関与しており、腸だけに、絶すごいのだ。

では、腸の環境を良くするにはどうしたらよいか? オリゴ糖や食物繊維(海藻類、大豆、野菜、果物、芋、こんにゃく等)はビフィズス菌や乳酸菌の餌になり、腸内細菌を良くする。腸内細菌の多様性を増やすことが最も大切で、そのためには和食を中心にバランス良く食事を取ることが基本である。

ということで、腸の話はこれで一上がり・・。