1970年代にオイルショックがあったのを覚えている人も多いだろう。現在起こっているのは高齢化による「オイル(老いる)ショック」である。2020年代には65才以上の高齢者の割合は30%を超え、80才以上の高齢者は10%を超えるとの予測である。
老いを自覚する時はどんな時か?髪の毛が薄くなった、頻尿になった、肌にしわやシミが増え、皮膚がたるんできた、人や物の名前が出てこない、耳の聞こえが悪くなった、視力が落ちた、歯が悪くなった、腰が曲がってきた、外に出るのがおっくうになった、新しいことに挑戦する意欲がなくなった等々・・。老いるということは失うことでもある。体力を失い、能力を失い、若さを失い、地位を失うことになる。こんなはずではなかったとついつい思ってしまう気持ち、まさに「老いるショック」である。
日本人は、老いからなるべく目をそらしたいという傾向があるが、老いは必ず訪れるもので、その老化のスピードに個人差があるだけである。そんな時は、出来ないことを嘆くのでなく、出来ることがあることを喜ぶようにするのがよいと思う。健診等の結果に一喜一憂せず、健康にばかり気を奪われることなく、身体を動かしながら、出来ることや好きなことを楽しくやり続けるのがよいと思う。また、シニア(老人)にはシニアなりの存在意義がある。シニアによって、生活の知恵や社会のルール作りがスムーズに行なわれるし、社会の中の様々なトラブルに対し、その調整役としての役割を持つ。シニアは親より客観的に孫を見れるので、親に出来ない個性を育てる孫の教育もできる。自分の時間を少しずつ社会のために使いながら、「老いる」を楽しむようにしたいものである。
ここで、シルバー川柳からいくつか拝借。
「アーンして 昔ラブラブ いま介護」
「政治家と『記憶にない』を 競ってる」
「免許より 夫返納 したい妻」
「お辞儀して 共によろける クラス会」