健康アラカルト(32) 慢性腎臓病について

2008年11月1日
院長 大石 孝

慢性腎臓病(CKDと略す)が増えているのはご存じか?

腎機能が低下したり、蛋白尿があるといった中等度のCKDの患者数は1000万人、さらに、腎臓病の最終治療段階である透析患者の数は26万人おり、あと2~3年で30万人に到達する。

CKDの原因は、糖尿病、高血圧、腎炎、細菌感染症等で、中でも糖尿病によるものが多い。腎臓が悪くなっても無症状のことが多く、血液・尿検査をしてみないと分からない。進行すると、尿の出が悪くなり、むくみ、だるさ、高血圧、貧血等を起こしてくる。また、心臓病・脳卒中にもなり易くなる。

特効薬はなく、塩分制限、蛋白制限等の食事療法と糖尿病・高血圧のコントロールが重要となる。

潜在患者数も多く、早期発見・早期治療が大切だが、今年から始まった特定健診では、なぜか腎機能と尿潜血検査が削除されてしまった。

腎臓は泣いているぞ!
これを聞いて、じーんとこない人はいるだろうか?