健康アラカルト(38) 総合医の話

2009年11月1日
院長 大石 孝

専門医に対して、総合医という言葉がある。

現在、医師不足、地域医療の崩壊等が叫ばれているが、その原因の1つに、専門に偏った医療がある。

専門医のみの集団では、必要な医師数が多くなる割に、カバーできる医療は限られる。結局医療の効率が悪くなる。

それに対し、総合医は幅広い疾患を診る。それが1次医療の診療所医師・開業医に相当する。また、一定の専門を持った総合医も必要だ。それが、2次医療の中核病院での医師に相当する。がんセンターのような3次医療機関は、専門医のみの集団でよい。

大半の病気は軽症で高度な知識や技術を要しないものであり、一般の外来は、総合医がまず担当し振り分け、本当に専門的な知識・技術が必要な患者だけを専門医に送るようにすれば、医療は効率化する。残念ながら、今の医師教育システムは、総合医を育てるようになっておらず、患者側も専門医志向が根強い。

ここでもチェンジが必要である。
 

ところで、核廃止を言っただけでノーベル賞とは驚き。

私なら「述べる(・・・)平和賞」を贈ります。