健康アラカルト(48) 膵炎の話

2011年 7月 1日
院長 大石 孝

膵臓は、胃の裏側にある細長い臓器で、食物が十二指腸に流れ込むと、炭水化物を分解するアミラーゼ、脂質を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するトリプシン等の消化酵素を分泌し、食べた物の消化を黙々と助ける働き者の臓器である。

また、血糖を調節するインスリンやグルカゴンというホルモンも分泌している。

ところが、長期間にわたり大量のアルコールを飲み続けると、次第に、自分の消化酵素で自分の膵臓を溶かし、溶けた部分が繊維化し硬くなってしまう、いわゆる慢性膵炎を起こすことになる。

膵炎になると、食後数時間して上腹部痛及び背部痛が起こり、仰向けで増強し、座ると減弱する痛みを特徴とする。アルコール以外に、胆石で起こることも、原因不明のこともある。

糖尿病や膵癌を合併しやすく、重症の壊死性膵炎になると死亡率は50%といわれている。

なってしまったら、治療は、徹底した禁酒と脂肪食や刺激物の制限を行うことになる。

そうならないためには、普段の適度な飲酒習慣が大切。 

では、ここで問題です。

「膵臓の病気をすると、医療費は高いでしょうか?」 

答えは、「やすいぞう(・・・・)!」

注:事実と異なりますのでご注意下さい。