2013年 1月 1日
院長 大石 孝
再び、長屋から・・。
熊さん 「また新しい年が明けやしたねぇ。
ご隠居、今日は、どんな話を聞かせてくれるんで?」
ご隠居 「そうじゃな、今日は養生訓の話でもするか」
八つぁん 「ようじょう君ってどんな殿様?」
熊 「ばか、随分前に死んじゃったご老人の書いた本の名前だろ」
ご隠居 「熊さん、さすが博学じゃな。貝原益軒という先生が書いた、
健康で長生きするための本の事じゃ」八 「で、何が書いてあるんで?」
ご隠居 「益軒先生曰く、人は50を過ぎてようやく、楽しみも知恵も
生活力も増えてくる。よって、長生きをしなければ、
人生は楽しめぬ。長生きするためには、まず、欲を抑えること。」
熊 「これは
ご隠居 「そうじゃな。すなわち、大きな災いはしばしの欲を抑えないから
起こる、小さな災いから大病になる。怒ると肝気を失う。
心配し過ぎは心気を失う。過剰な性欲も精気を失う。
おしゃべりも度が過ぎると気が減る。食事はあっさりした
薄味のものがよく、同じものばかり食べてはいけない。
夜更けの食事は禁物。温かいものを食べること。
夏場に冷水を取りすぎると、風邪や下痢のもとになる。
食後は散歩するとよい、とな。」
八 「いっぱいあり過ぎて、お腹壊しそうだ」
熊 「おめえはおつむも腹も弱いんだな。考えてみたら、
ご隠居がいつも言っていることと同じっすね。
いっそのこと、ご隠居も本を書いたらいいのに。」
ご隠居 「とんでもない、それこそ
