健康アラカルト(57) 健康長寿になるには

2013年 1月 1日
院長 大石 孝

再び、長屋から・・。

熊さん  「また新しい年が明けやしたねぇ。
       ご隠居、今日は、どんな話を聞かせてくれるんで?」

ご隠居  「そうじゃな、今日は養生訓の話でもするか」

八つぁん 「ようじょう君ってどんな殿様?」

     「ばか、随分前に死んじゃったご老人の書いた本の名前だろ」

ご隠居  「熊さん、さすが博学じゃな。貝原益軒という先生が書いた、

       健康で長生きするための本の事じゃ」
       
     「で、何が書いてあるんで?」

ご隠居  「益軒先生曰く、人は50を過ぎてようやく、楽しみも知恵も
       生活力も増えてくる。よって、長生きをしなければ、
       人生は楽しめぬ。長生きするためには、まず、欲を抑えること。」

     「これはよくよく(・・・・)聞いとかないと」

ご隠居  「そうじゃな。すなわち、大きな災いはしばしの欲を抑えないから
       起こる、小さな災いから大病になる。怒ると肝気を失う。
       心配し過ぎは心気を失う。過剰な性欲も精気を失う。
       おしゃべりも度が過ぎると気が減る。食事はあっさりした
       薄味のものがよく、同じものばかり食べてはいけない。
       夜更けの食事は禁物。温かいものを食べること。
       夏場に冷水を取りすぎると、風邪や下痢のもとになる。
       食後は散歩するとよい、とな。」

     「いっぱいあり過ぎて、お腹壊しそうだ」

     「おめえはおつむも腹も弱いんだな。考えてみたら、
       ご隠居がいつも言っていることと同じっすね。
       いっそのこと、ご隠居も本を書いたらいいのに。」

ご隠居  「とんでもない、それこそ越権(・・)行為じゃ!・・・、なんちゃって」

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