健康アラカルト(59) 肉は悪者か?

2013年 5月 1日
院長 大石 孝

「日本人の食生活は欧米化し、肉食、脂肪食が増えたため、 高脂血症、糖尿病、心臓病等の生活習慣病が増加した。
したがって、肉・脂肪食を減らし、コレステロールを 徹底的に下げなければならない」というのが従来の常識であった。

最近になり、それは間違いではないかという説が出てきた。

過去、脳卒中が減少し平均寿命が延びたのは、 不足していた日本人の動物性蛋白や脂肪の摂取量が増えたためで、むしろ食が欧米化したおかげである、実は、日本人の食の欧米化は 1980年代で終わり、その後は全体的なエネルギー摂取量や脂肪・ 蛋白摂取量が低下している、という。

実際、肉を食べる人ほど脳疾患の死亡率が低く、 また、コレステロールが低いと、うつや脳卒中になりやすく総死亡率も高くなるというデータがある。

体内で合成できない必須脂肪酸や必須アミノ酸は、肉や牛乳、 卵にバランス良く含まれており、植物性蛋白や野菜だけでは、これらの栄養素が不足してしまう。動物性蛋白(肉・魚)を よく食べることとこまめに体を動かすことが長寿の秘訣だった との研究報告もある。

高齢者も肉・魚・野菜をバランスよく、 しっかり摂ることが大切。同時に、1日中テレビを見てボーとせず、ご近所の掃除でもして、体を動かしてみること。自分の健康にもなり、 ご近所からも感謝され、これぞ一石二鳥。

さて、今月の標語「過食を憎んで、肉をニク(・・)まず」。

ついでに、謎解きも1題。「最近、国民栄誉賞を受賞したゴジラ」 と掛けて、「松阪牛」と解く、 その心は・・・「どちらもニック(・・・)ネームです」 

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