健康アラカルト(62) 認知症の話

2013年 11月 1日
院長 大石 孝

超高齢化社会に伴い、我国の認知症の患者は、現在450万に上ると推定されている。実に65歳以上の高齢者の7人に1人の割合になる。認知症とは、脳の器質的障害により、慢性的に思考、言語、記憶などの脳機能が低下し、社会生活に支障をきたす状態のことである。

好きなことをしなくなったり、外に出なくなったり、1日中ぼんやりしていたり、いつも探し物をしたり、お洒落に無頓着になったり、同じ話を何回もしたりするのは、認知症のサインと言える。日時、場所、人の順に障害されるので、まず、今日が何日かが分からなくなり、次に、今いる場所やいつも通っている道が分からなくなり、最後に、配偶者でさえ分からなくなる。また、慣れ親しんだ動作(歯を磨く等)ができなくなり、同時に、2つ以上のことが処理できなくなる(料理ができない等)。

では、どうしたら認知症にならずに済むか?

認知症は一種の生活習慣病とも言われる。
使わない筋肉が衰えるのと同様に、使わない脳の機能は衰えてゆく。旅行の計画を立てたり、声を出して本を読むと、前頭葉の血流が増え、日記を書くと、側頭葉の血流が増加する。

朝の散歩は、前頭葉や側頭葉の血流を増加させる。料理のような創造的な作業をしたり、適度なストレスや恋心を持つのも良い。情報をアウトプットすることが大切なので、運動したり、演奏したり、歌ったり、笑ったりすると良い。テレビをボーと見るのはご法度。社会と交わることが大切なので、定年後することがなければ、ボランティアをすると良い。電車やバスに乗っての小さな1人旅もよい。何より、生きがいを持つことが大切だ。

さあ、あなたも明日からこのどれか1つでも始めましょう。

今月の標語。「アクティブに 習慣変えて ボケ防止」

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