健康アラカルト(63) 風邪には抗生物質?

2014年 1月 1日
院長 大石 孝

風邪の季節到来。風邪の時、経験的に、抗生物質(剤)をもらうと良く効くと信じている人が少なからずいる。 でも、それって、ホント?

実は、風邪は基本的にウイルス性なので、抗生剤は無効なのである。 外国の大規模研究でも、風邪に対する抗生物質投与の有無に関わらず、 症状改善に有意差はなく、2次的な肺炎予防にも有益ではないとの結果であった。そんなことないモン、普通の風邪薬で治らず、抗生剤を飲んだ途端治ったモン(あなた、クマモン?)。それは、自然経過だったかも。そんな馬鹿なハナッシーあるかナッシー!(今度はふなっしー?)

確かに、風邪の一部は細菌性のことがあり、その場合抗生剤は有効となる。 実際の診療では、その区別が臨床的に難しいことがあり、医療側は、 ”もしもの為に”と思い、患者側も投与を望むため、つい抗生剤を投与してしまうのである。 その結果、日本は、世界有数の抗生剤消費国となっている。

しかし、薬の副作用、耐性菌の増加、コストの問題を考えると、 風邪に抗生剤を安易に使用すべきでない。明らかな肺炎や症状が長引いたり、 発熱が続くケースには抗生剤を出すが、それ以外は抗生剤を出さないことが肝要。
医療側、患者側ともに、風邪への抗生剤の使用については、もう少し慎重になって欲しいものである。

今月の標語。「抗生剤 飲まずに治そう 風邪くらい」

ついでに、小噺を1つ。

「なんでも、今年は、冬季オリンピックがあるんだって?」

「そうらしいね。」

「で、どっちでやるの?」

そっち(・・・)で!」・・・

お後がよろしいようで。

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