健康アラカルト(65) ジェネリックって大丈夫?

2014年 5月 1日
院長 大石 孝

最近、ジェネリックを希望する患者さんが増えてきた。 正式には、ジェネリック医薬品(後発医薬品)といい、 主成分は、先発品と全く同じに作った医薬品である。

先発品は発売から約10年程度で特許が切れるため、後発品が出てくる。 開発費が不要な分、製造単価は安くできるので、薬価も当然安く、 先発品の2割から7割程度になる。これで効き目が同じなら、 ジェネリックの方がいいに決まっている・・・が、それで本当に大丈夫?

ジェネリックは、主成分は同じでも、添加物は異なり、 コーティングの仕方や内部構造も違うので、薬の吸収、分布、代謝が異なり、 当然、効果も変わってくる可能性がある。

ジェネリックは、「先発品と同一の有効成分を同一量含有している」 だけと考えた方が良い。医師の立場で困るのは、ジェネリックメーカーは何十社とあり、 1つの先発品に対し、下手をすると10~20種以上のジェネリックが出てきて、 商品名すら覚えられないことである。先発品の時は、同じ薬でも、 メーカー毎の細かな効能の違いを気にしながら、いわゆるさじ加減をしていたものが、 ジェネリックになると、そんなことは気にしていられなくなる。

なぜ、ジェネリックなる別物をわざわざ作ることになったのか?
先発品の薬価が高いことが問題なら、 特許が切れたら、段階的に薬価を下げればよいだけのことである。
そうすれば、先発品メーカーも利益率は減ってもシェアを落とさず、 一定の利益が得られるし、医療者側も使い慣れた薬をそのまま使用できるし、 患者側も同じ薬を服用でき安心である。 ジェネリックメーカーを除けば、すべてがハッピィになれる方法である。 厚労省に是非再考を願うのみである。

ここで、川柳を1つ。

「ジェネリック 二番煎じの 味がする」

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