健康アラカルト(67) ダメ。ゼッタイ。

2014年 9月 1日
院長 大石 孝

危険(脱法)ドラッグを服用して、交通死亡事故や事件を起こすニュースを耳にすることが多くなった。広義の麻薬は、興奮剤、抑制剤、幻覚剤の3つに大きく分けられる。興奮剤には、覚醒剤、コカイン等、抑制剤には、阿片、モルヒネ、ヘロイン、シンナー等、幻覚剤には、LSD、大麻(マリファナ、ハシッシュ)等が含まれる。麻薬を含む薬物乱用者は、世界で2億人(人口の3%)を越え、日本でも300万人いると言われている。

麻薬と聞くと躊躇するが、ドラッグやハーブと言われれば、抵抗感は薄まる。初めは、友人の勧め、ダイエット、眠気覚まし、興味本位等々、ちょっとしたきっかけで始めることが多く、摂取方法も、注射だけでなく、あぶって煙を吸ったり、錠剤の形になったりし、摂取しやすく、かつ、あとが残らないようにでき、しかもネットで簡単に手に入るようになった。薬物乱用の最大の問題点は、依存性、耐性、不可逆性の3点に集約される。すなわち、一旦始めると、自分の意志ではやめられなくなり、次第に、初めの量では効かなくなって薬物量が増え、少量でも中枢神経は破壊され、破壊された脳は決して元に戻らず、たとえ薬物をやめても、その後フラッシュバック(幻覚や妄想が再燃すること)が起こり、一生ついて回ることになる。

現在、出回っている危険ドラッグは、ハーブやお香等と称して、乾燥植物に麻薬類似物質を混ぜ込んだもので、どんな麻薬がどれだけ入っているか誰も分からないため、決して手を出さないことである。街で見かける「ダメ。ゼッタイ。」というポスターは、麻薬、危険ドラッグは1つも体に良いことはなく、100%悪いということを訴えている。

「君子 危うきドラッグに 近寄らず」である。

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