2014年11月 1日
院長 大石 孝
精神疾患が近年増加傾向にある。昔からあるうつ病を始め、 ADHD(注意欠如多動性障害)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、 アスペルガー(高機能自閉症)、社会不安障害などの比較的新しい概念の病気が増加している。 現在、専門家が早期発見、早期支援の方向に動いており、軽症の患者も拾い上げているためでもある。
一方で、これらは、本当に病気なのかという疑問も出ている。例えば、ADHDとは、 一言でいえば、不注意で片付けが下手で、思い付きで行動する病気である。昔からこんな子供はどこにでもいたのでは? PTSDも、トラウマのない人間などいないのに、 病気とされ治療の対象になっている。人前で緊張してパニックになったりすると、 社会不安障害という病名が付けられ、本人も周囲も納得する。単に、 緊張しやすい人間なだけではないか? アスペルガーも然り。友人と一緒に遊ぶのが苦手だったり、 習慣化された行動を変えられないと、そう診断される。これは、頑固者で融通が利かない人ともいえ、 本当に病気なのか? いずれも、以前なら変り者と言われていた人達を、病名を付け病人に仕立て上げていることはないのか?
問題なのは、これらを軽症も含めて病気と診断して、安易に精神薬を投与し、それにより薬物性精神障害を作り出し、それに対し、さらに新たな薬物を追加投与し、泥沼状況になることである。驚くことに、向精神薬と麻薬、覚醒剤は類似している。共に、脳内伝達物質であるドーパミンやセロトニンに作用し、興奮を鎮めたり、逆に、覚醒させたりする。精神科医はもとより、一般内科医も製薬業界の安易な宣伝に惑わされず、慎重な診断と投薬が必要である。
安易な診断と投薬は・・・ダメよ~、ダメダメ!(日本アタマキテル連合)
