2015年 5月 1日
院長 大石 孝
皆さん、糖尿病や肥満が増加した原因は、戦後、炭水化物が減り、脂質が増えたことによると思ってませんか?ところが、1990年代より、炭水化物が増え、脂質が減少しているにもかかわらず、それ以降も糖尿病や肥満が益々増え続けているため、原因は炭水化物の方ではないかという疑問が出てきた。
そこで、現在、新しい食事療法として提唱されているのが、糖質制限食である。糖質は、炭水化物から食物繊維を除いたものなので、つまり、炭水化物を制限した食事ということになる。炭水化物は、ごはん、麺類、パン類などの主食、それにいわゆる甘い物である。血糖を上げるのは糖質だけで、蛋白質や脂質は上げないため、糖質を制限して、蛋白質や脂質を摂っても、インスリンの追加分泌が起こらず、動脈硬化や脂肪蓄積が起こらないという。また、糖質を制限しても、肝臓での糖新生により低血糖にならず、脂肪も燃焼させる。その結果作られたケトン体は、実は脳も通過するので、脳の働きが鈍ることもない。糖質制限食は、ダイエットにも有効である。実際、低脂肪でカロリー制限をしたグループと、低炭水化物でカロリー制限しないグループで比較検討したところ、後者の方がカロリー制限しないにもかかわらず、ダイエット効果があったという。
ただ、糖質制限食の問題は、脂肪や蛋白質を摂りすぎてしまうことで、これにより、本当に動脈硬化や腎臓病が増加してこないのか、長期的にみてゆく必要はある。が、しかし、糖質制限食は今後、糖尿病や肥満の有力な解決策の1つとして広まってゆくと思われる。
ここで、謎かけ1題。「肥満」と掛けて、「男女共学校の寮」と解く、その心は、・・・「どちらも、
