2015年 9月 1日
院長 大石 孝
通常、お腹を壊した時くらいしか意識してない腸。実は、人は腸なしでは生きていけないって、知っていました?それって、
人は、食物と水がなければ生きられないが、それを消化吸収するのは、腸である。腸で、蛋白質をアミノ酸に、炭水化物をブドウ糖に、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解・吸収し、水分の吸収やビタミン合成も行う。したがって、最低限、腸がなければ人は生きられない。 それに加え、簡単に病気(感染症、がん、動脈硬化)で死なないために、腸は重要な働きをしている。例えば、異物が口から入り、腸管に到達すると、腸粘膜に存在する免疫細胞が作動し、異物を認識する。もし、異物が身体に有益な物(食べ物)と判断すれば、粘膜内に取り込み、有害な物(病原体)と判断すれば、破壊・排除する。さらに、その情報を血管やリンパ管を介し、全身の免疫細胞に伝え、その病原体についてのいわゆる免疫を完成させる。実は、人体の免疫システム全体の70%は腸にあり、腸によって全身の免疫がコントロールされているといってよいのである。
ところで、この免疫能力をコントロールしているのが、腸内細菌である。腸内細菌は、最近では500種類、500兆個いると言われ、その中の善玉菌が最も重要な役割を果たす。したがって、善玉菌が十分いるかどうかで、免疫能力が変わってくる。悪玉菌が増え、腸内の有害物質が増え、免疫能が低下すれば、がんや感染症、動脈硬化になりやすくなったり、逆に、交感神経の緊張状態が加わると、免疫の過剰反応が起こり、アトピーや花粉症といったアレルギー疾患や膠原病といったいわゆる自己免疫性疾患を起こしたりする。
腸は、生命に必要な栄養素と水分を吸収し、病気から人体を守る免疫システムの中心であるという点で、やはり、健康の決め手は腸だったという、ガ
