健康アラカルト(78)やっぱり危ない電磁波

2016年 7月 1日
院長 大石 孝

電磁波は、電気の発生するところに必ず存在し、周波数が少ない超長波(送電線等)から、周波数の多いマイクロ波(衛星放送、携帯、電子レンジ等)、紫外線、放射線までいろいろある。ネズミの実験では、マイクロ波を脳に2時間照射しただけで、遺伝子(DNA)破壊と染色体異常が起こった。これにより、発がんや細胞劣化が起こる。ヒトでも、携帯・スマホから発生するマイクロ波の7割が頭に吸収される。電子レンジで脳を料理している?!ことになりかねない。

電磁波による症状は、めまい、目のかすみ、集中力低下、物忘れ、疲労感、頭痛、動悸、血圧上昇、不眠、精子数減少、うつ病などである。心当たりのある方は、一度、電磁波過敏症を疑ってみるとよいかもしれない。

疫学的データをみても、アメリカ・ニュージージャー州にある送電線付近の地区では、ダウン症の発症率が平均の10倍、自殺率は平均の40%も増加した。北欧で行われた調査によると、送電線に近づくほど、小児の白血病、脳腫瘍、悪性リンパ腫の発生率は増加した。大阪の門真市では、送電線周辺でがんが多発し、150m以内の住民の中で白血病になった人は平均の150倍になった。ホットカーペットや電気毛布で寝ると、子供の脳腫瘍は10倍、白血病は約5倍に増加したとの報告もある。

IH調理器も強力な電磁波(長波)を発生させる。安全基準の数百倍もの電磁波を浴び、その結果、妊婦の流産のリスクを約6倍に増やすとの報告がある。したがって、オール電化の住宅もお勧めしない。MR診断装置、温熱治療器、スカイツリーの周辺、リニア新幹線も危険性が高い。

対策は、とにかく少しでも離れ、接触時間を短くすることである。電磁波の害は、距離の二乗に反比例して減少する。「君子、危うき”電磁波”に近寄らず」である。いずれにしても、この問題は、”第3者の公正な目”で追及して、もっと周知徹底してもらいたいものですね、マスゾエさん!

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