2016年11月 1日
院長 大石 孝
モンスター食品といっても、ゲテモノ食品のことではない。遺伝子組み換え(GM)食品のことである。
飼料用、燃料用のキングコーンというGMトウモロコシがある。これを食べさせた200匹のマウスの半数以上に腫瘍が発生した。家畜のえさなら、人には関係ないと思ったら大間違い。結局、その家畜の肉を食べることによって、人体内にも入ってくる。また、甘味料やガムシロップの材料にもすでに使用されており、それを使った食品を食べても人体内に入ってくる。
大豆はどうだろうか?日本は国内消費量の90%を輸入に依存し、その8割はアメリカ産を中心としたGM大豆である。すなわち、国内に流通している大豆の多くは、GM大豆のはずだが、店頭に並ぶ豆腐や納豆の表示には、ほとんどが国産で非GM大豆使用と書いてある。摩訶不思議?これで、TPPが導入されて、アメリカ同様GMに対する表示義務が無くなったらどうなることであろう?
GM作物の最大のメリットは、害虫に強く、除草剤の使用量が減り、収穫量が増加することだったが、実際には、耐性を獲得した害虫や雑草が出現して、除草剤の使用量は減らず、大凶作になるため、更に新しいGM品種を作ることになり、結局いたちごっこになっている。
GM作物の問題は、技術的にまだ不安定なので、組み込む遺伝子自体に危険性がなくても、危険な物が偶発的に生まれてしまう可能性がある点である。実際、アメリカでは、GM食品が市場に出回るようになってから、慢性疾患やアレルギー疾患、がん、自閉症等が増加している。また、GM技術が植物の枠を超え、動物まで拡がりつつある点も問題である。羽根のない鶏や急速に成長する鮭など、自然界には存在しないモンスター生物が作られつつある。こんな物を食べさせられて、我々は大丈夫なのか?「直ちに人体に影響はない・・」うん?これはどこかの原発事故の時聞いたセリフと同じ・・。
モンスターは要らないが、ダメなものはダメと言える物申す(ん)スターなら、必要だ。
