2018年 5月 1日
院長 大石 孝
現在、我国の人口は1億2600万人で、2050年には、1億人を切る。現在、人口の4人に1人は65才以上の高齢者で、2035年には、3人に1人になる。2025年、団塊の世代がすべて75才以上の後期高齢者となり、2055年には、その後期高齢者が4人に1人となる超高齢社会、かつ、人口減少社会となる。
人口減少と高齢化が進むと、経済は伸びず、年金・医療・介護等の社会保障支出の方は、益々増大してゆく。その財源は保険料と税により賄われているが、このまま現役世代の負担が増え続けると、いずれ現在の社会保障制度が破綻する。 どうしたら良いか?考え方一つで支出を減らせるのは、医療の分野である。国はあの手この手で医療費を抑制しようとしているが、現状では成功していない。 それはなぜか?高齢者の増加ももちろんあるが、むしろ、生活習慣病のように、病気の基準を厳しくし病人を増やし、早期発見早期治療の名目でどんどん医療を介入させ、次々開発される新しく高価な薬剤や治療手段を適用しているからである。高齢者において生活習慣病のような慢性疾患の医療は、介入すれば良くなるという根拠はなく、介入しても結果があまり変わらなかったり、かえって悪くなる可能性が充分ある。「治そうとする医療」から、「自然の流れに任せる医療」に転換してゆくことが必要である。そうすれば、現在年間40兆円以上で、2030年には50兆円になると言われる医療費はかなり減額できる。すでに、我国は世界一の長寿国である。これ以上、なおも不老長寿を目指すのであろうか?人生観によるであろうが、人生は長さではなく、どんな人生を送ったかが大切ではないだろうか?
ここで、謎解き1題。「人口減少」と掛けて、「赤とんぼの空」と解く、その心は、・・・・「どちらも空き家(秋や~)が思い浮かびます。」
