2019年 7月 1日
院長 大石 孝
現在、我国の糖尿病の推定患者数は、1000万人で、右肩上がりで増加している。糖尿病自体が増えているともいえるが、実は、糖尿病においても、高血圧や高脂血症同様、診断基準を厳しめに変更しており、ある意味、患者数が増えるのは当たり前のことに思える。血糖は厳格にコントロールした方が合併症を減らすことができるというのが、専門医の考えである。膨大なデータから導き出した理屈であるが、低血糖による弊害や死亡率がかえって増えるというデータも、実は存在する。アメリカでも、血糖を厳しくすべきかどうかについては意見が分かれている。鎌ヶ谷市の特定健診でも、厳しい基準値を適用すると、6割が異常と判定される。健診受診者の半数以上が異常とされる基準値は、本当に正しいのか?少なくとも高齢者は、もっとゆる~い基準にすべきである。
糖尿病については、次々と新しい薬剤が開発され、いろんなケースに対応する選択肢が豊富になった。厳しい基準値で病気を作り、厳格なコントロール目標を徹底するための薬剤も豊富にあり、治療薬の市場は膨らむばかりである。実際、糖尿病関連の薬剤費は5000億円、糖尿病全体にかかる医療費は1兆2,000億円と言われている。このお金は、保険料や税金という形で、国民のみんなが支払っているものである。本当にこのままでいいのか?基準値を緩め、コントロール目標も緩めると、それだけでかなりの薬剤費が節約できると思われるが、如何なものか? 国民皆保険制度が崩壊する前に、専門医に考え直してもらいたいと切に思う。
ここで、新説桃太郎昔話。
昔々、ある所に、お爺さんとお婆さんが住んでおった。お爺さんは山に芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に・・。そこに流れてきた桃から生まれた桃太郎は、きび団子を食べすぎて糖尿病になったとサ。
実は、桃太郎が戦ったのは、鬼ではなく、血糖じゃった。血糖との一騎打ち。
これがホントの決闘だ!なんちゃって・・。
薬も飲まずに糖尿病を見事退治し、生涯を全うしたとサ・・・? ウッソピョ~ン!。
