コーヒータイム(13) 記憶力

2014年2月1日
アドバイザー 加藤 洋男

そろそろ梅の季節を迎える。平安時代までは花見といえば桜ではなく、梅を静かに 眺めることだったという。 梅は学問の神様の菅原道真が好んだことにより、天満宮の神紋としてまつられたと いわれ、この時期は梅の枝に合格祈願の絵馬が重なる。 受験に関係ない者でも、試験当日が降雪でなく快晴であることを祈りたい。

若い頃勉強しなかったせいか、50歳代くらいまで「試験日になっても勉強して いない!」と苦しむ夢をみた。高齢者になった今日は、さすがにこの悪夢からは解放 されている。

社会人になってから試験なるものには、とんと御無沙汰だったが、50歳半ばに社内の 試験付き研修を受けざるを得ないこととなった。全部記述式なので、主な内容を丸暗記 するしかない。
とにかく始めたものの、昨日やったことを今日はきれいに忘れている。
ざるに水とまではいかないが、殆んど記憶として残らない。

途方にくれているところに、産業医と話す機会があり、この話をしたところ、 「年齢と記憶力は関係ない」「使っていないから錆びている」「繰り返し努力すれば 大丈夫」との御説。 それに励まされ藁をも掴む気持ちで、通勤の往復、晩酌返上で同じことを何度も 繰り返した。何日か経つと、今まで10%しか残らなかったものが、30、50、70%と 残るようになり、試験当日までの1か月後には何とか一応の格好がついた。

最近、脳活性化のセミナーで話を聞いた。内容は、「脳細胞は高齢になっても増える。但し脳は筋肉と同じで、使っていないと衰える。新しいことにチャレンジしたり、刺激を与えると神経細胞が増えるので、読書・絵画・音楽・ダンス・カラオケなど何でも好きなことをやるべし」という。先述の話と全く同じ主旨である。

一般的な病気に対しては、健診や食習慣改善など予防措置を比較的行うが、脳の活性化については、あまり行わないので要注意だと思う。

何となく日々を過ごしてしまう今日だが、そろそろ脳を使わないと潤滑油をさしても動かなくなる年齢にきているかも知れない。思案より実行あるのみか。

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