コーヒータイム(15) 固定観念

梅雨の季節が来た。私が子供の頃の男性は雨が降れば当然のごとくゴム長靴を履いていたが、 いつのまにか雨が降っても、ゴム長靴を見ることはなくなった。

ところが最近は若い女性が、「レインブーツ」なるものを履いている。 形はスマート、カラフルでリボンが付いているものもあるが、まさに“長靴”であり、 当初はこんなものが広まるだろうかと他人ごとながら心配をしたが、結構見かけるようになった。 華やかで、雨の日も気分が明るく軽やかになり、結構なことと思う。 業界と女性の、固定観念にとらわれない新しく軟らかい発想に感心した。

一方で最近、固定観念の典型のニュースに接した。 学校の身体検査で計るデータは、身長、体重、座高だ。 子供の頃は座高でも高い方がいいと思っていた。 しかし、かの石原裕次郎が股下1メートルだといって、足の長さがクローズアップされだすと、 座っている時に「大きいですね」と言われるや「いや、 座高が高いので・・」と小声で返すようになった。

座高測定は戦時下の徴兵検査で「胴長は健康」とされたことから始まったという。 以前から測定の意義が疑問視されていたそうだが、漸く文部科学省令が改正されて、 2015年度限りで廃止されるという。

このように、おかしいと思われていることでも、 規則などでしばられて延々と続けられていることは他にも多くあると思われる。困ったことだ。

日本の固定観念が、外人に通じないことも多い。
夫婦茶碗を欧米人に出したら、奥さんが大きい方をとったという。
大小の概念と男女の概念がイコールになる日本の観念が世界では通用しない。 我が家では、家内の方がお茶を飲む量が多いので、私のものとチェンジしようと 申し入れたが、大きくては握り具合がよくないと、この合理的提案は却下された。

健康管理の基本は日頃の食生活と思うが、「食」については長年の習慣や、 固定された知識により、とかく片寄ることが多い。
最近、生活習慣病と食生活の関係が見直されているという。 専門家の適切な指導のもとで、より健全な食生活を心がけることが肝要と思う。

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