コーヒータイム(20) 輝き

2015年4月1日
アドバイザー 加藤 洋男

「ちいちいぱっぱ ちいぱっぱ 雀の学校の先生は むちを振り振りちいぱっぱ・・・♪♪」「めだかの学校は川の中 そっと覗いて見てごらん・・・♪♪♪」。
高齢者の域に入った現在でも歌える。ところが雀は過去20年で半分に減ったという。そういえば最近は電線に並んでいる姿は見ないし、さえずりも聞かない。
小川で泳いでいたメダカは、外来魚に実効支配されて絶滅危惧という。
いずれも春を感じさせる事象だが、雀とめだかの学校ともに生徒がいなくなり、廃校の憂き目にあるそうだが、人間の世界と違い、統合によって少しでも存続させるという訳にもいかない。
童謡だけでも廃盤にせず、幼児の想像力を育んで欲しいものである。
原因は、宅地などの開発で軒下や田んぼや小川などがなくなるという、自然環境の変化によるといわれる。
子供の頃を懐かしむ、思い出の風景はなくなりつつある。

北陸新幹線が開業した。大人も子供も夢中だ。最速タイプの「かがやき」だと、東京・金沢が2時間半、京都行きと同じ時間だそうで、当分は北陸地方が脚光を浴びそうだ。
ただ、その陰では、従来の北陸行を担っていた、越後湯沢駅からの「ほくほく線」が一気に経営悪化することが必至で、これまでの貢献を思うとやるせない思いになる。
来年3月には青森と函館が結ばれる計画だが、世界各国でも多くの高速鉄道の計画が あって、日本の関係企業もその受注に必死である。
更に、リニア中央新幹線の建設が始まった。最高時速500キロで名古屋まで40分、2027年に開業の予定だそうだが、86%がトンネルの中とのこと。
こうなると、景色を楽しんだり、駅弁を食べたりという“旅”の次元として、はなはだ疑問を感じる。

人間のみがなし得る、科学の進歩と情緒との確執は昔からあったものとは思うが、 一休さんの口癖である「一休み一休み」の精神の方が、良い知恵や効率が上がることもあるようにも思う。

医学の目覚ましい進歩で“寿命”は延びているが、自助努力と科学の力で、“健康寿命”の延長につながることが肝要と思われる。

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