コーヒータイム(25) 厄年

2016年2月1日
アドバイザー 加藤 洋男

年が開けて早1カ月が過ぎたが、今年も例年どおり3神社の初詣をした。地元の氏神様、駅までの通行途中の神社、厄除祈願や病気平癒などでお世話になった神社に詣でる。最近は三が日だけでなく1月中でもよいという考え方があり、1月下旬になっても結構参拝客がある。

寺社を詣でると目に入るのが、厄年の該当生年の掲示である。厄年は卒業した身だが、何となく気になる。年齢的には数え年で男性は25歳、42歳、61歳、女性は19歳、33歳、37歳で、それぞれに前厄・後厄がある。地域によって61歳は男女共通もあるらしい。そもそも厄年とは、平安時代にすでに存在し、科学的根拠は不確かで、起源も曖昧のようだが、根強く信じられている風習だ。

最も重要なのは、男性の42歳、女性の33歳の大厄で、それぞれ体力の低下や反射神経の鈍化など肉体的変調や、社会的責任の上昇、子育てなどの多忙な時期がその理由とも言われているが、現代でも客観性があるように思う。
通常の厄年は、凶事を未然に防ぐため神仏のご加護を祈願するのみだが、大厄は地方によっては親戚や親しい人を招いて会食をしたり、餅を配ったり、”役を得る”としてお祝いをする所もあるらしい。

日本だけでなく、キリスト教、イスラム教の国にも似たような風習があるようで、 中国は干支の年、イギリスは10年に一度、エジプトは4年に一度とかなり頻繁にあるようだ。また、スペインでは男性24歳、44歳、女性14歳、33歳、トルコでも男性23歳、43歳、63歳、女性13歳、33歳、53歳と日本の厄年年齢に近いのも興味深い。

62歳の後厄が最終となっているが、江戸時代でも「人生50年」、70歳になると「古希」と言われ”古来まれ”な貴重な存在で、還暦を迎えることも大変だったようなので、62歳を超えるような年齢は、神様の管轄外だったのかも知れない。

 

現代社会では、高齢者になっていよいよ神仏のご加護が欲しい気がするが、平安時代の貴族は老若男女とも毎年厄払いをしていたという。現代では貴族でなくとも、高齢者は”毎年厄年”の心構えで、心身の健康に対して、謙虚に、注意深く日々を送ることが大切だと痛感している今日この頃である。

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