2016年4月1日
アドバイザー 加藤 洋男
若葉の緑が目にも鮮やかなこの季節は、70万人位の学生が社会に巣立つ季節でもある。将来に大志を抱いた若者は清々しい。高らかな声援を送りたい。
ところで最近新聞や雑誌などで「○○年後になくなる仕事」というような衝撃的な見出しが目に付く。鉄道やタクシーの運転手、レジ係、通訳、受付、はたまた参議院議員などなど、いくらでも出てくるそうである。
ただ、このような流れはいつの時代にもあり、電話交換手、タイピスト、駅の改札係など、昔は花形だったが、いつの間にか消えた職業はいくらでもある。
また、製造現場では、物の移し替えや運搬は大半ロボットが受け持つようになった。味気ないのでロボットに名前を付けて人間らしい雰囲気を作るという工夫もあったが、
このロボット君は、手と足とせいぜい眼を備えていた程度だった。
過去から現在は、ざっくり言えばコンピュータやロボットが単純労働や規則的な活動(ルーティン)を代替してきたと思われる。
これからの流れはAI(人工知能)やIOT(モノのインターネット化)、ICT(情報・通信技術)など、アルファベットやカタカナの氾濫で解説を読んでも分かりにくいが、例えばロボットでいえば、従来の手足に加え、知能と自己学習を備えて行動するものも出現すると言われる。これが労働力不足の製造、介護、農業、建設などには助けとなるものの、10~20年後には現在の仕事の半分程度が代替可能だという説がある。こうなるとロボットは“君”でなく“氏”になるのかも知れない。
これまでの時代は過去の経験とほどほどの新知識で乗り切れたが、今後はそうはいかない。とは言えコンピュータやロボットが、一人歩きをするのではなく、人間が作り出して活用する訳で、またどんなに時代が変わっても、コミュニケーションやチームワークは代替出来ない。変化のスピードが速くなり、学習する項目が多くなると思われるものの、これからの職業人はこれらを駆使願いたいものだ。
健康管理もいずれ、手首などに端末を付けて、いろいろのデータで24時間体調をチェックする機器なども出ようが、これでは数値病になってしまう心配もあるように思う。時代は変わっても、毎日の正しい食事、適度な運動、定期的な健診など、基礎的な生活習慣に気を付けることが大切であることは変わりがないように思う。