2012年8月1日
アドバイザー 加藤 洋男
プロ野球はオールスターも終わり、いよいよ後半戦に入った。
贔屓チームは、物心ついた時から変わらない。小学校低学年で漢字を書くのがおぼつかない頃、そのチームの選手名を漢字で書く練習をしたほどで、野球に明け暮れる毎日だったことを思い起こす。
もっぱら見るだけになった現在、テレビ観戦もいいが、やはり球場に足を運んで生の試合を見るのが楽しい。ただしテレビと違って、VTRによる再映像は出ないので、動体視力が衰えている昨今は真剣に見ていないとボールを見失ってしまう。
私にとって球場観戦の難点は応援の騒音(?)である。とめどない鳴り物と声援などで、ピッチャーの投げたボールがミットに“ビシッ!”と入る音や、バットの“カーン!”という快音もかき消されてしまう。
ところが家内と行くと、普段は静かなタイプだが、球場に入るやレプリカユニフォームを着て、タオルを振り、応援バットをたたく。佳境の場面では、静かに見ている私を尻目に、見知らぬ人と意気投合してハイタッチをしている。あげくは外野の応援団席でみんなと一緒に総立ちで応援したいと言う。こちらはごめんである。
最近は、スポーツだけでなく、コンサートやミュージカルなどでも興に乗ると、立って拍手を送ることが多い。「スタンディングオベーション」と称して日本語で「総立ちで拍手喝采」。演奏者と一体感をもって感動を共有するためらしい。こちらはみんなが立つから、座っていたら見えないので立たざるを得ない。困ったものだ。
「スタンディングオベーション」はヨーロッパでは18世紀からあるそうだが、日本人は“他者に迷惑をかけない”という気遣いか、以前は余り見られなかった。
クラシックの演奏会はさすがに途中で立つことはないが、終わった途端立って「ブラボー」などと叫ぶ人がいる。静かに余韻に浸るといいのに・・・・・。
とは言うものの、この静・陰と動・陽は、心身の健康や認知症対策などの観点からはどちらがいいのだろうか。物の本を見るとどうも静・陰の方の分が悪いようにも思える。 さて皆さんはいかがでしょうか。