コーヒータイム(49) 小売業

2020年 2月1日
アドバイザー 加藤 洋男

昨年末、私の住む地域で一世を風靡した大手スーパーが閉店した。他の一店は健在のため日常的には大きな問題はないものの、閉店建物内にあった銀行ATM、靴や衣服の修理店、家電量販店、100円均一店などが合わせて閉店したので不便になった。
 小売りの業態には、デパート、スーパー、コンビニ、専門店、通販などがあるが、これらの大型店は様変わりし、身近な個人経営の八百屋、魚屋さんなどは殆どなくなった。
 デパートは、地方都市を中心に閉店が相次ぎ、都市店もアパートの管理人形式で専門店の寄せ集め、不調の商品分野は撤退、あげくは大手量販専門店を入れて集客を目論むなど、往時の小売業トップの座はとっくに明け渡し、文字どおり何でも揃った「百貨店」の矜持はない。
 好調を謳歌したコンビニも最近は人手不足を中心に24時間365日営業のビジネスモデルが崩れつつあり、昨年末店舗数が初めて減少した。比較的近くにあり、品数もそこそこあるので便利だが、一般人にとっては朝のセブンから夜のイレブンまでの時間帯でもよいとは思うが・・・・。昔から経営者のハードな労働は伝え聞いていた。

各業態が不振な中、成長率が高いのは通販である。一時期、配達能力の問題で壁に突き当たったかと思われたが、最近は落ち着いたようで、デパートやスーパーもネット通販に力を注いでいる。
 私も重い物やかさばるものを主にネットで頼んでいるが、玄関先まで配達してくれ、大変助かっている。このお蔭で車の運転を止めることを決心出来た。
 しかし、ネットもいいことばかりではない。最近炊飯器の具合が悪くなったのでネットでメーカー品を購入した。ところが、この炊飯器はご飯を炊くのはそこそこだが、後の手入れが面倒で、清潔を保つことが難しそうだ。しかも炊き上がった後「只今の電気代は○○円です」と表示される。短時間でうまく炊けるものでもないのに、なぜこんな機能が必要なのか分からない。実物を吟味しなかったことを大反省した。
 昔、行きつけの食べ物屋で変わった親爺がいた。誰かの注文したものを指して「これと同じもの」と注文したら、「同じものは出来ない」との返事。確かにだが・・・・?万事この調子だが、歯が痛い時行ったら、メニューにない特製うどんを作って「これなら歯にやさしいよ」と出してくれた。昨今はこんな店に出会うことはない。

どんなに世の中が進歩しても、顔と顔を突き合わせて、互いの反応を見ながら会話をして信頼し合うことは欠かせない。私たちの健康管理は、特にその重要性を感じる。

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