コーヒータイム(61)電車内

2022年 2月1日
アドバイザー 加藤 洋男

“は~くしょん!!” 電車の中でくしゃみが出そうになり、マスクの上からハンカチで抑えようとしたが間に合わない。周囲の視線が痛い。コロナ禍になってからはくしゃみに気を遣うが、電車内はほぼ100%の人がマスクを着用している。欧米では考えなれない光景だろう。しかし一概に欧米人が横着ということではないらしい。感情を表に出す欧米人は相手の気持ちを読み取るのに口元を見、一方日本人は「目は口ほどにものを言う」の諺がある通り相手の目元を見るという。日本人は、サングラスで目元を隠されると怖い印象をもつのと同様に欧米人は口元を隠されるのは不気味でなじめないという文化の違いもあるようだ。

コロナは当初は接触感染が恐れられて吊皮に触ることも憚られたが、現在は空気感染が主経路とのことで手すりや吊革に触ることは躊躇しなくなった。換気をしっかりすることが重要なため窓が開けられた効果で電車内でのクラスターは出ていない。少々寒いが厚着で自己防衛するしかない。

電車内の過ごし方は随分変わってきている。10年以上前は通勤時の車内は多くの人が新聞を読んでいた。特に若い社会人が男女を問わず経済紙を読んでいて頼もしく思っていた。ところが昨今は8割方の人がスマホを見ている。ニュースか、メールか、小説か、漫画か、ゲームか、内容は知る由もないが、新聞、週刊誌や厚い漫画本を読んでいる人は殆どいない。そのせいか以前よくあった、網棚への新聞や本が捨てられていることはない。その網棚も変化している。網棚を利用する人はアンケート結果では半数が利用すると答えているが、現実は殆ど使われていない。理由は忘れそうだから、手元にないと不安、上げ下ろしが面倒などという。札幌の地下鉄は網棚がないそうだが、いずれ全国的にそうなると思われるほど使われていない。荷物を足元に置く例が多いが、乗り降りの妨げになるし、傷を付けられたらどうなるのだろうか。

車窓から景色の移り変わり見るのは楽しい。新京成を松戸から乗車して新鎌ヶ谷を過ぎると富士山が見えてくるが、初富を過ぎると東京スカイツリーと富士山が重なって見える地点があることを見つけた。

電車に乗って自由に動いたり、友人などとの会合をしたいところだが、コロナはオミクロン株に変化し猛威をふるっていて、まだまだ衰えを見せる様子は全くない。当分は各々で改めて気分を引き締め、適度な運動と、十分な睡眠、栄養バランスをとった食事を心がけ、静かな生活を送るしかないようだ。

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