コーヒータイム(71) 誕生日

2023年10月1日
アドバイザー 加藤 洋男

私事で恐縮ですが、私は10月に誕生日を迎える。ニュース等で同じような年齢の方を画像で見て自分より若いか年寄りかを感じてみたり、一方では年齢の数字を見て「結構な年寄りだな」などと自分の年齢を忘れて呑気に第三者的にみている自分がいることがある。これは年寄りの特徴かも知れない。

誕生日に対する認識が若い頃と現在では変わっているように思う。若い頃は将来の希望に思いを馳せ、必要に応じてギアを入れ替えたりしたと思うが、年齢を重ねるとむしろ”これまでまあまあ健康で過ごせた”ことに対する感謝する一方、年を取ることへの一抹の不安を感じることもあるように思う。

年齢の数え方にはいろいろある。通常は生まれて次の年のその日が来たら1歳となる満年齢だ。ところが”数え”という概念がある。生まれたら1歳で、年を越えると1歳増える。1月1日には国民全員が1歳加算される。つまり、昨年12月31日に生まれた赤ちゃんが今年の1月1日では僅か2日間だが2歳となる。

日本では1950年に数えから満年齢に変わった。お隣の韓国では現大統領になってから満年齢になり「1~2歳若返った」と好評なそうな。日本では現在でも高齢者へのお祝いの喜寿や米寿などは数え年齢で行うことが結構ある。他にも地方や場合によって七五三や厄年の数え方などで数えを使う例も残っている。

一方、法律上は年齢が加算されるのは”誕生日の前日”だ。即ち10月1日生まれの人は来年の9月30日に1歳になる。4月1日生まれの満5歳の児童が3月31日に満6歳とカウントされるので、4月2日生まれのものより1年早く小学校へ入学することになるのはこのためだ。閏年の2月29日生まれも28日に1歳加算されるので法的には誕生日は毎年来る。

サウジアラビアなどアラビア諸国は戸籍に生年月日を記録する制度が完備されていなかったり、遊牧民はカレンダーを持たない生活だそうだ。これらの国は年齢の認識はない。日本でも戸籍に生年月日が記録されたのは明治時代で歴史は浅い。

世間的には”70歳、80歳の台を超える時は体力的に変化がある”と言われている。日頃の生活を有意義の過ごし、健康に感謝出来る誕生日を迎えたいものである。