コーヒータイム(73) 補聴器

2024年2月1日
アドバイザー 加藤 洋男

「私の話の半分も聞こえていない」「聞こえないために会話をしないと認知症やうつ病の可能性が大になる」などの家族の攻撃に、しぶしぶと耳鼻科で検査を受けた。
結果は案の定で高音の聴き取りが悪く、補聴器を付けた方がよいとの結果。加齢性難聴は誰でも起こる可能性があり、65歳以上で1500万人以上の人が該当するという推計もある。

昔から、年寄りの悪口をひそひそと話しているにも関わらず本人に筒抜けで地獄耳だとよく言われてきたが、高齢による難聴の大半は高音から悪くなるとのことだ。つまり、年寄りの悪口は高音でないといけない。ひそひそ低音は逆によく聞こえるということになる。

若い頃から難聴気味で、人と話していてもよく聴き取れず何回も聞き返したり、あまり聞き返すと悪いのでトンチンカンな相槌を打って失礼をしたこともあった。近年ではテレビの音声が聞こえにくいので、文字表示をするとよく理解出来るが、家族からは画面の邪魔になると不評。

補聴器店に行き早速補聴器を選んで調整して約2週間は無料お試し期間で様子を見る。しかし余り効果を感じない。
もう半世紀も前に母が補聴器を購入したが、食器を洗う音などを敏感に拾い、肝心な会話には貢献しない、といつの間にか止めていた記憶がある。私たちの耳は必要な音と、不要な音を自然のうちに選択しているという。
 眼は近眼・遠視・乱視などに対しても眼鏡やコンタクトレンズの調整で適切な効果あり、最近は拡大鏡や左右調整可能眼鏡など多彩で進歩しているように思うが、補聴器は結構高価だが余り進歩していないように思う。
 それでも「つけている時といない時で反応が違う」「つけることで脳が補聴器の音に慣れてだんだん改善される」など家族の後押し(先導?)で購入に至った。

人間の体はあらゆる箇所で想像を絶する緻密な働きをしている。そのどの箇所に不具合が起きても生活に支障を来す。まずは自助努力で不具合予防になるような日常生活が出来たらよいと思う。