コーヒータイム(76) お賽銭

2024年8月1日
アドバイザー 加藤 洋男

6月のコーヒータイムで電子マネーなどによるキャッシュレスに触れたが、最近は私ももっぱらキャッシュレスで、ほとんど硬貨は持ち歩かない。
 ところが最近散歩中に神社に出会い、お参りしようとしたら、硬貨がないことに気が付いた。妻も持ち合わせがない。お賽銭なしでお願い事は出来ないので、仕方なくお礼だけ言って、すごすごと引き下がったことがある

数年前、まだ幼稚園児だった孫と神社に行った時、孫が「お賽銭をカードで払ったらいい」と言った。その時は「そんな?」と思っていた。ところが何と現在ではそのような寺社が多く存在するという。日本人、外国人を問わずキャッシュレスが普及していることに対しての対応が進んでいるらしい。京都の東本願寺、東京の愛宕神社、日光二荒山神社などなど枚挙にいとまがない。防犯上もよいとのこと。キャッシュレス化はお賽銭にとどまらず、お札やお守りなどを授けてくれる授与所でカードOKの寺社がさらに多くあるという。今後も普及すると予測される。どの世界も時の流れに沿った対応が必要のようだ。

お賽銭は神社の場合は神様に日頃の感謝を伝えるためで、お寺は自分の欲を捨てる修行のお布施の意味があるという。
 蛇足だが、お賽銭の金額は、500円は「これ以上の硬貨(効果)はない」、10円は「ト~円(遠縁になる)」でよくないそうな。5円と50円の穴空き硬貨は「見通しがよい、運が通る」と縁起がよいと言われる。

10年前の小欄に、明治神宮での初詣の出来事を書いたが、それは本殿前で1円玉をたくさん握って賽銭箱に向けて高々と撒く人がいて、年明けの夜の光を浴びてキラキラ落ちてくるのが美しく、江戸の粋を感じたことがあった。

神様は「努力している人に対してバックアップしましょう」というのが基本理念らしい。健康管理もまずは自分でしっかりと計画を立てて実行し、その上で神様にもお願いするのが筋のようだ。