13. 睡眠と免疫 part.1~睡眠不足は万病の元!~

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2022年9月19日
皮膚科医師
芳川万代


健康に過ごすためには睡眠が大事とわかっていても、ついつい寝る間を惜しんで活動していませんか?また、不眠で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。睡眠不足による悪影響は目に見えないところで蓄積しています。毎日の睡眠について少しばかり振り返ってみましょう。

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実は、隠れ睡眠不足?
日常で以下のような症状はありませんか?
・なんとなく疲れやすい
・ストレスを感じる
・ドカ食いしやすい
・些細なことでイライラする
・集中力が続かない
これらは睡眠不足からくる初期症状として代表的なものです。
眠気を感じなくとも、身体に必要な睡眠時間・質が足りていない可能性があります。

睡眠と免疫の関係
健康を保つためには、免疫機能の最前線で私たちの体を守っている自然免疫を維持し、その免疫力を高めておくことが必要です。ウイルスや細菌などの感染をきっかけに分泌されるサイトカインという物質は睡眠を促進するとともに、睡眠自体もサイトカインの分泌を促進することが明らかになっています。風邪をひいた時によく眠ることで治りが早くなるのはこうした理由によります。ある報告では、平均睡眠時間が7時間と比べて5時間未満の人は、風邪の発症リスクが4.5倍に増え(※1)、寝つきが悪い・途中で目覚めるなど睡眠効率が悪いと5.5倍に増えた(※2)とあります。

睡眠と美容の関係
睡眠は美肌にも欠かせません。ある実験では、8時間睡眠を数日間続けた後、6時間睡眠の日を続けると、しわが45%、しみが13%増えていたそうです。また、肌の赤みも8%増したという結果(※3)が出ました。

まとめ
睡眠には他にも、疲労回復やストレス解消、肥満防止、記憶の定着など様々な効果があります。
適切な睡眠時間には個人差がありますが、健康に過ごすためには、良好な睡眠がとても大切なのです。次回は、睡眠のポイントについてお伝えしたいと思います。

※1 Sleep. 38(9) 1353-1359. 2015
※2 Arch Intern Med. 169(1) 62-67. 2009 (睡眠効率=実際に寝ていた時間÷臥床時間 睡眠効率98%以上と92%以下を比較)
※3 イギリスの寝具メーカーBensons for Beds社の調査結果による