15. 睡眠と免疫 part.3~免疫力を高める睡眠のポイント~

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2022年11月25日
皮膚科医師
芳川万代


前回、「良好な睡眠」にするためには”睡眠の質”が大事とお話ししましたが、実際にはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。
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睡眠の質を上げるためには… 
睡眠の質を上げるためには寝る前だけではなく、日頃の過ごし方も鍵となります。

生活習慣の工夫
・寝る直前の入浴は避け(入眠の2~3時間前)、38~40度のお湯にゆっくりと入る。
・軽く汗ばむ程度の運動を習慣的に行う。
・就寝・起床時間は一定にして、体内時計のリズムを乱さないようにする。
・朝の光を浴びて、体内時計をリセットする。

食事の工夫
・朝食をしっかりと食べて、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつける。
・睡眠の質向上を期待できる栄養素(ビタミンB群《ビタミンB1・B2・B6》、アミノ酸グリシン・トリプトファン、カルシウム、マグネシウム)を意識的に摂取する。
・寝る前の食事(2?3時間前には済ませる)や寝酒、カフェインは控える。

睡眠環境の工夫
plusalpha15b ・寝る時は体への負担が少ない寝姿勢(自然な立ち姿勢時と比較して、腰のS字カーブのすき間が約半分・2~3cmの状態)を保ち、保温性と吸湿性・放湿性の良い寝具(掛け布団なら羽毛や羊毛素材)を使う。
・室温は冬は16℃前後、夏は26℃前後、湿度は50~60%程度に保つ。
・夜の照明は夕日色のようなやわらかい光にして、寝る前にスマホやパソコンを見ない。

昼寝や週末の「寝だめ」はしてもいいのか? 
夜の快眠には適度な眠気が必要です。就寝前8時間以内の昼寝は、睡眠導入の力を弱めてしまいます。もし昼寝をする場合は、12時から15時までの間に15分~30分程度にしましょう。また、「寝だめ」という言葉がありますが、平日の睡眠不足を補おうと休日にダラダラと寝続けるのはよくありません。睡眠時間が平日と休日で極端に違うと、体内時計が狂って睡眠の質が悪くなります。朝寝坊は”2時間まで”と決めてください。2時間を超えると、体内時計が狂いやすくなるからです。

まとめ
以上、具体的な方法をご紹介しましたが、できることから挑戦してみては如何でしょうか。