2024年3月26日
皮膚科医師
芳川万代
私たち日本人になじみのある緑茶。皆さんは普段飲んでいますか?
渋み、苦み、旨みなどの独特な味わいを持つ緑茶には、人間の健康に良い影響を与えるとされる成分が多く含まれています。今回は、緑茶の種類や効果についてご紹介します。
緑茶の種類
◆玉露:新芽が開き始めたら、日光を遮って育てたお茶。旨味が豊富な味わい。
◆煎茶:日光を遮らず、茶葉を揉みながら、乾燥させて作ったお茶。
◆番茶:若葉ではなく、三番茶など成長した茶葉を使ったもの。渋みが多い。
◆ほうじ茶:煎茶や番茶を強火で炒って、香ばしさを引き出したお茶。
緑茶の効果
緑茶には主に以下の効果があることがわかっています。
①風邪予防・免疫力向上
②ダイエット効果・生活習慣病予防
③リラックス作用
④美肌効果・抗酸化作用
①緑茶はカテキンを含みます。カテキンはポリフェノールの一種で、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。殺菌効果があり、インフルエンザなどの感染症や風邪、虫歯を予防する効果が期待できます。さらに、免疫細胞を活性化する効果もあり、免疫力向上が期待できます。
②緑茶に含まれるカテキンをはじめとする様々な成分には、脂肪や血中コレステロールの吸収を抑える効果、血糖値や血圧の上昇を抑える効果があり、動脈硬化や高血圧症、脳血管疾患、心疾患の予防に繋がります。
③緑茶に含まれているテアニンにはリラックス作用があります。テアニンを摂取すると脳にα波と呼ばれる、リラックスをしているときに多く発生する脳波が出現します。また、筋肉がゆるんで血管が拡張するので血行が良くなります。さらに、脳の興奮を抑えて神経を沈静化する働きもあり、快適な睡眠が得られるという効果もあります。
④緑茶は豊富なビタミン(β-カロテン、ビタミンB1・B2・C、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン)を含んでいます。特にビタミンCの含有量が多く、カテキンが含まれているために、熱いお湯で入れても分解されないのが特徴です。緑茶100g中に、玉露19mg、煎茶6mg、番茶3mgのビタミンCを含んでいます。なお、レモン1個の果汁中には20mgのビタミンCが含まれています。
このように、緑茶には様々な効果があり、その他にもたくさんのミネラルを含んでいるため、天然のサプリメントとも言えます。