33.そのイボは何だろう? part.3 ~ウイルス性疣贅について~

2024年9月4日
皮膚科医師
芳川万代

いわゆる「イボ」と呼ばれるものの中で、今回は「ウイルス性疣贅(ゆうぜい)」についてお話しします。

ウイルス性疣贅とは?

ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚に感染することでできるイボ(図1)で、手や足によくできます。

ウイルスは皮膚のごく小さな傷などから侵入し、表皮にある細胞に感染します。感染した細胞は分裂が活発になり、周りの正常な細胞を押し退けて増え続けます。(図2)
痒みなどの症状はほとんどありませんが、徐々に大きくなり、数cm大になることもあります。

ウイルス性疣贅の治療

ウイルス性疣贅を放っておくと、大きくなったり、他の部位へ増えていくことがほとんどなので、見つけたらなるべく早く治療することをお勧めします。

治療は、主に液体窒素による凍結療法を行います。たくさんある場合は、ヨクイニン(ハトムギ種子抽出物)の飲み薬と合わせて治療することもあります。小さいお子様などで、凍結療法によるヒリヒリする痛みを嫌がる場合は、モノクロル酢酸という塗り薬を使う場合もあります。

いずれの場合も、1週間に1回の頻度で通院していただき、治療していきます。治るまでに何回ほどかかるかは個人差があるためはっきりしませんが、足などでたくさんできている場合は1年以上かかる場合があります。