
2021年 9月30日
皮膚科医師
芳川万代
前回、様々な爪のトラブルに対して、また手荒れに対しても「ネイルケア」をすることの重要性をお話ししました。今回はその方法についてお話ししたいと思います。
ネイルケアの方法
「ネイルケア」というと難しく聞こえるかもしれませんが、①正しく爪切りをして、②毎日の保湿を欠かさないということが重要になります。季節や年齢、健康状態などにより変わりますが、通常、手の爪は1日で0.1mm程、足の爪はその約半分のスピードで伸びます。健康維持のための理想的な手入れの周期としては、手の爪は7日~2週間、足の爪は1ヶ月~1ヶ月半となります。
①正しい爪の切り方
- 爪切りは切れ味の良いものを使用し、なるべく入浴後など爪が柔らかい時に切るのがいいでしょう。
- 爪の主成分はケラチンという繊維状のタンパク質で、それが3層重なっている(図参照)ため、一度にバチンと切ると3層が断裂し、その層の間から乾燥して二枚爪の原因になる、ということもあります。端から最低4~5回以上に分けて少しずつ切りましょう。
- 爪の両角を切り落とすと、伸びる時に皮膚に食い込んで炎症や痛み、巻き爪の原因になるので、図の赤線のように、両角を少し残して切ります。また、深爪すると先端の皮膚が盛り上がって、爪が伸びるのを妨げて変形しやすくなるので気を付けましょう。
- 最後に、やすりを使用して両サイドの角を取って断面を滑らかにします。やすりは爪と皮膚の隙間にいれて、爪に対して並行にあてます。爪やすりを行うことでも爪割れが防げます。



- 保湿は、手の甲・ひらはもちろんのこと、指の付け根から爪周りの皮膚、指先まで丁寧にします。図のようにマッサージするように塗るとよいでしょう。
- 保湿剤としては、甘皮(キューティクル)オイル、やボディ・ハンドクリームでよいでしょう。乾燥がひどい場合には、化粧水をしっかり塗布した後、オイルやクリームを塗りましょう。
- 通常は、お風呂上りや爪切り後に保湿すればよいですが、乾燥がひどい場合には1日に数回行いましょう。
まとめ
『美しい爪は一日にしてならず』毎日欠かさず行うことは面倒ではありますが、そのひと手間が差を生み出します。これからは乾燥する季節になっていきます。正しく切って、しっかり保湿を心がけましょう。