2021年11月14日
皮膚科医師
芳川万代
亜鉛を意識した食事、できていますか?
亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育などに欠かすことのできない必須ミネラル。普通に食事をしていれば不足する心配はありませんが、実際は、食品を加工する過程で失われることが多く、インスタント食品やファーストフードに偏った食生活、極端なダイエットをしていると不足しがちで、健康障害を招く恐れも予想されることから意識的に摂取したいミネラルの一つです。亜鉛が不足すると…
☆皮膚の変化肌荒れ・シミが目立つ、爪が変形・変色したりする、抜け毛が多い、すり傷が治りにくいなどの症状が現れます。
☆その他
立ちくらみ(貧血)、疲労感、生理不順、性機能の低下、味覚異常、うつ状態、不眠、免疫機能の低下(感染症にかかりやすい)など様々な症状を引き起こします。また、子供では成長障害(身長、体重が正常に増加しない成長遅滞になってしまう)を起こします。
亜鉛のじょうずな摂り方
☆亜鉛を多く含む食品亜鉛は魚介、肉、玄米、豆類、野菜、海藻に多く、特に牡蠣(カキ)は良い供給源です。また、鉄と同様に、ビタミンCと同時に食べると吸収率が良くなります。牡蠣にレモンなどを添えると、美味しいし吸収率もアップするので最高の組み合わせです。
☆吸収を妨げるもの
加工食品に添加されるポリリン酸(リン酸塩)は亜鉛の吸収を妨げます。また、アルコールをとり過ぎると亜鉛の排泄量が増加するので注意しましょう。
まとめ
これからは“牡蠣” の美味しい季節。牡蠣は「海のミルク」と呼ばれており、栄養価の高い食品のひとつです。乾燥しがちな冬場の肌を潤す美肌食材としても知られています。亜鉛のほかに、鉄やタウリンも豊富なので疲労回復にもお勧め。牡蠣が苦手な方は、“納豆”もお勧めの食材です。納豆は、鉄や亜鉛をはじめ、糖質・脂質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維の6大栄養素をバランスよく含み、様々な健康効果が期待できます。毎朝の食事に取り入れてみては。
ちょこっと一品レシピ ~ 牡蠣のゆず風味バターソテー ~ 小麦粉を薄くまぶした牡蠣を、千切りにしたたっぷりのゆずの皮とバター炒めに。 柚子は、消化を助けるとともに、気を全身に巡らせ、イライラや不眠解消にも効果があります。 |