
2020年1 月 1日
理事 德田 好美
去年今年 貫く棒の如きもの高浜虚子
新しい年が明けました。皆様穏やかな朝をお迎えのこととお喜び申し上げますとともに、この1年のご多幸を心から祈念申し上げます。
昨冬から新年にかけて、当地は暖かい日々が続いています。本来ならば真冬のただ中であるはずなのに、雪の降る気配など少しもありません。これも温暖化の影響でしょうか。
ところで、12月に降ってきたのは、雪ではなくイノシシでした。あたかも亥年の最後を締めくくるかのように、あちこちの山から降って湧いたように村や街中を駆け回るイノシシが世間を賑わせました。まるで、亥年はまだ終わりではないぞよ、と騒ぎまわっているかのようでした。

さて、新年は十二支の最初の子年です。
おとぎ話によれば、十二支をきめる際、ネズミが、先頭を歩いていた牛の背中に乗っかり、目的地に着いた途端に跳び下りて一着になりました。ついでに言えば、猫が十二支に入れなかったのは、ネズミから違う日にちを教えられたからで、未だに猫の恨みを買っています。
猪突猛進の昨年と異なり、今年は策略三昧にご用心、というところでしょうか。ただ、ひと昔前は、天井裏に時折りがさごそとねずみの気配を感じることがありましたが、このところそれは全くありません。世の中の衛生管理が行き届いた証左だと、大いに喜ぶべきことではありますが、「十二支」に愛着を持つ身からすれば、その中ではきちんと存在感を示していて欲しいと、何だか奇妙な願いではあります。