
2020年 3月 1日
理事 德田 好美
只今、新型【コロナウイルス】が猛威をふるって、中国を皮きりに世界を席巻しようとしている。日本はまさに今が正念場だ。本稿の「瑞気」とは正反対ながら、この時期、これを抜きにしてはどうも前にすすめない。
そもそも【コロナウイルス】とは、菌の姿が皆既日食の際に生じるコロナ現象に似ているところからつけられた。

日食で黒ずんだ太陽の影の周りを、真珠色に淡く輝く輪がとりまく。一生の間に何度見られるか分からないほど、貴重な現象だ。
その美しい自然の輪の名前を、このウイルスにつけるのは如何なものか、というので、正式の学名が付けられたが、その学名はその後一度も耳にしたことはなく、「コロナ」の印象は一段と悪くなった。昨年末頃から騒がれだして、一向に収まる気配がない…どころかますます地域が広がっていく様相を呈している。
そんな中で、1月下旬にドイツオープンに参戦した中国の卓球選手団約50名は、一旦中国に帰国すると、その後3月に韓国で行われる世界選手権や、6月に日本で行なわれる東京五輪への出場が難しくなるため、日本の関東地方のホテルに滞在し、日本協会が公共施設での練習に便宜をはかる計画だという。日本協会関係者は「仲間に手を差し伸べるのは当然のこと」と話している。
政治面で、必ずしもスムーズに行かない処もある日中間だが、こういうところでお互いの信頼関係がはぐくまれていくのは、大変喜ばしいことだ。
この友情の絆にはじかれて、ウイルスが早々と退散する日の近いことを願うばかりだ。