(16)熊

zuiki

2021年 1月 1日
理事 德田 好美




年来る 如何な年ぞと (かしら)あぐ天野真秋子

新年明けましておめでとうございます。

昨一年間コロナ騒ぎで明け暮れた中、ご無事で新年を迎えられお慶び申し上げます。コロナの終息はまだまだのようですが、関係の方々は、研究に医事に日夜懸命のご努力を重ねておられ、頭が下がるばかりです。

目に見えない、全く存在の気配を感じない。それを避けるべき日常の己の所作が、いわゆる三密を避けさえすればよいのか。誰もが初めての経験で暗中模索している中での、かたがたのご苦労が報われる日の、一日も早からんことを祈るばかりです。

そういうコロナ騒ぎの日本に、昨秋から冬にかけてクマが出没するニュースが相次いでいます。それは日本だけの現象ではなく欧米でも同様で、先日テレビを見ていたら、とある市街地の家庭で、クリスマスツリーの中に潜んでいた子グマを主婦が追いかけている画像が写っていました。

kuma

筆者が子供の頃から、森の中でクマに出会ったらクマから目をそらすな、と教えられていたから、人里に出てくるのは昔からの現象なのでしょうが、その出没件数はこのところ日本でも急上昇しており、それも里山にとどまらず市街地を徘徊するクマが増えています。報道によると、日本でクマに遭遇した人の数は、一昨年は 154 人だったが昨年は 11 月の時点でそれを上回るペースで、何人かの死者も出ているようです。

自然林の伐採などが進み、越冬前のクマの食べ物が減った一方、コロナ禍を避けて、里山にキャンプをしたりする人が増え、その残飯に味を占めたクマが人里に降りてくるのでしょう。人間も、自然界の一員として自然のモラルを守り、自然との共生を楽しみたいものです。