(24)ロシア、ウクライナ情勢

zuiki

2022年 7月 1日
理事 德田 好美




日盛(ひざか)りに 蝶の触れ合ふ 音すなり松瀬 青青(せいせい)

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盛夏の季節となった。ロシア軍がウクライナに侵攻を始めたのは2月。TVで見る現地は、一面雪の世界が映し出されていたが、それからほぼ半年が経過した。

日本では、冒頭の句にある通り、夏の風物詩が野山を彩る季節だが、東欧の現地では如何だろう? TVで見る限りでは、綠なす自然の風景はなく、ロシア軍によって無残に破壊された市街地が映し出されるばかりである。報道によれば、ウクライナを含む世界の難民の数は1億を超すという。想像を絶する悲惨さだ。

しかし、報道される成り行きを見ていると、圧倒的な軍事力を持つロシア軍が、自ら仕掛けた侵攻に苦戦を強いられている状況が十分感じ取れる。前線の兵士達の士気もさることながら、プーチン政権内部に深刻な意見の対立もあるという。

ともあれプーチン大統領は、バルト3国の併合をも意中にあるとの報道もある。そもそもロシアは国土は広いが、自由に海を利用出来る港が少ない。かつて、日本を襲って殲滅されたバルチック艦隊も、はるばる東欧のバルト海から回ってやってきたものだ。私見ながら、海をもっと自由に使いたいという、プーチン氏の意図も見え隠れする。

一旦発した己の構想を中途半端に終わらせることは、今後の自らの政治生命に大きな禍根を残すことになるので、執拗な侵攻は今しばらく続くのではないか?

プーチン氏は若い頃、日本の柔道を習ったことがある。そのことが彼のその後にいかなる影響を与えたのか?心身を鍛練修養し、青少年の教育に貢献することを目指した柔道の基本は抜きにして、単なる”人を倒す”術を学んだに過ぎないのか?