
2023年 1月 1日
理事 德田 好美
初日の出 我今大地しかと踏み木村未生
早くも、初日の出を拝む季節となったが、旧年の後半もいろいろな出来事があった。
旧年10月29日夜、韓国ソウルの繁華街で雑踏事故が発生し、日本人2人を含む158人が死亡した。
たまたまテレビでその状況を見ていたが、事故が発生した場所は道幅3.2mというから、例えば日本の銀座通りのような広い通りではなく、むしろ銀座裏通り程度の狭い道幅で、しかも坂道だという。そこに何万人もの群衆が一時に押し寄せたのだから、雑踏のひどさは計り知れない。
坂道の下側に向かって次々に人が倒れ、幾重にも折り重なった。人混みで救助活動は難航し、負傷者を病院に搬送するのに時間がかかり、多くの犠牲者が出る一因となった。ハロウウィンを控えた週末で、多勢の人出が予想されていたのに、十分な警備体制をとらなかった警察に批判が集中したという。同じ時刻の、日本の渋谷あたりの状況もうつし出されていたが、混雑の中で大勢の警察官が出動している光景は、ソウルの状況と真反対で、この辺の先見性に両者の違いがあるのかなと、勝手にうなずいたものだ。

ところが12月19日前後、強い冬型気圧配置の影響で、日本では東北や北陸地方を中心に大雪となった。国道を中心として、あちこちでトラックの車輪が雪にはまるなどして、通行ができなくなり、車列が長い時間立ち往生の状況となった。
この状況は、ソウルの混雑どころではなく、各車の運転手の困惑は、計り知れぬものがあっただろう。いかに急な大雪だとはいえ、現在の気象庁の予知機能は格段に進化している筈で、当局に若干の油断があったとしか思えない。
車に限らず、雪かきなど大雪のための怪我人や死者が、あちこちで多数出ており、今更ながら、人の”油断”の本質――大地にしかと腰を据えることの大切さ――を考えさせられる年末であった。
皆様の、新年のご多幸を心から念じ申し上げます。