(8)交通事故

zuiki

2019年 9月 1日
理事 德田 好美




このところ、世間を騒がせる大きな交通事故が目立つ。この様子では、年間の事故数は従来の記録を更新するのではないかと思っていたが、新聞によると今年上半期(1~6月)の全国の交通事故死者数は、統計を取りだした1948年以降で最少だった昨年(3532人)を更に下回るペースで推移しているという。

私の感覚では、その真逆だ。・・・何故だろう? と考えているうちに、私と同じような高齢者に因る事故が多いからかもしれない、と気が付いた。

今年上半期では、75歳以上の高齢運転者が第一当事者となった死亡事故は172件、免許人口10万人当たり3.1件で、75歳未満の1.4件を倍以上上回っている。

高齢者による事故の割合が多いのは、容易にうなずける。反射神経は鈍るし視野も狭くなる。ある意味では当然だ。だったら、高齢者の免許更新を厳しく制限してはどうか・・・? だがそうもいかない事情がある。

その一つには、社会の核家族化があるだろう。
 ひと昔前までは、子供たちが結婚しても両親や祖父母たちと同居するのが一般的な社会であったが、今やそれは珍しい。 老夫婦もそれなりに一つの核として、日常生活を送っていく必要がある。

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今一つは、住んでいる町の変化がある。
 かつては、小さな町中にもそれぞれ魚屋あり八百屋あり豆腐屋あり・・・小学生でもお使いに行けた時代であったが、昨今の日常用品はいわゆる”スーパー”に集中し、家の近くにあった昔ながらの小さなお店は殆ど閉じられてしまった。車がないと日頃の買い物もできない時代になり、高齢者の運転も必然的に増えざるをえないのだろう。

それらに加えて高齢者には、運転に対する自らの潜在能力の衰えに気が付かない妙な自信がある。
 そろそろ私も潮時かなと反省するこの頃である。